特注の模様入り瓦
主屋は「食い違い四間取り形式」で、4部屋が田の字型ではなく間仕切りが前後、左右で食い違った平面になっています。
旧松澤家住宅 (木造平屋建 寄棟造り) |
桁行(幅) |
9間 (約16.4m) ウマヤ2.5間(約4.5m) |
梁間(奥行) |
5.5間 (約10.m) ウマヤ2.5間(約4.5m) |
建築面積 |
59.9坪(198.02m2) |
浮間地区は洪水の際に流れ込む土に栄養分が含まれていたことから良質の茅が採れたため、
江戸幕府に「御用茅」として納めていました。
復原の際に使用された茅は栃木県の「オギ」という植物で主屋に4200束、倉屋には800束が使われています。
旧松澤家住宅 倉屋 (木造平屋建 寄棟造り) |
桁行(幅) |
3間 (約5.5m) |
梁間(奥行) |
2間 (約3.6m) |
建築面積 |
6.34坪(20.97m2) |
厚さは主屋45cm
倉屋で40cm
下の細かい部分が藁
太いものが「オギ」
旧松澤家住宅のあった浮間地区は昭和初期に荒川の改修が完成するまでたびたび洪水に悩まされていた為、
家屋を守る工夫として道路面から主屋の基礎まで約1mほど土盛りした上に家を建て、浸水被害を防いでいました。
これは「水塚」と呼ばれ、荒川沿岸に面した地域に良く見られます。
側柱から腕木を突き出して桁を渡し、天井板を張った軒が正面から両側三方に回っています。
これは和舟の舷側部分の船櫂(せがい)に似ているため「セガイ造り」と呼ばれます。
寄棟造りの茅葺屋根の雨仕舞は、棟の上にやぐらを組み瓦屋根を載せて納める形式で「箱棟」と呼ばれます。
主屋は瓦、倉屋やうまやは竹すのこを巻いて仕上げてあります。
基礎.・土台・柱・梁・桁から成る一般的な日本家屋である軸組工法で、構造体には1本の釘も使わず
仕口や継ぎ手で接続された柔軟性の高い構造になっています。
小屋組は「さす(叉首)構造」といわれ、合掌形に組んだ「さす」という部材を桁に開けた穴に挿しこんで棟木を支える、茅葺き古民家の代表的な構法です。
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外壁は木舞下地の上に土壁、もしくは下見板張り仕上げになっています。
荒川流域では「アラキダ(荒木田)土」と呼ばれる粘土質の土がたくさんとれ、
壁土や土間のタタキなどの材料として江戸時代より使われていました。
ふろば、おおど側
おくざしき廊下側